RESEARCH研究内容

医療や公衆衛生が格段に進歩した現代社会においてもなお、ウイルス感染症研究の重要性は失われていません。
エイズでは未だに毎年100 万人以上が死亡しており、
近年、西アフリカで発生したエボラウイルスやブラジルで発生したジカウイルスのアウトブレイクでは、世界中がパニックに陥りました。
一方、太古に感染したレトロウイルスが哺乳類の胎盤形成に関わるなど、ウイルス感染が宿主進化の原動力となることも知られています。
従って、多様なウイルスが引き起こす様々なウイルス感染現象を、医学・公衆衛生学・生物学・生命科学・数理科学・進化学など、
複数の観点から多面的に捉えて理解することが不可欠となります。

本事業では、日欧米の一流のウイルス研究者・免疫研究者が集結し、
時間軸(太古のウイルス~現在流行中のウイルス~将来出現しうる未知のウイルス)と
空間軸(原子/分子~細胞~個体~集団レベル)で異なる特徴を持つウイルスの研究を進めます。
インフルエンザウイルス、エボラウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT 細胞白血病ウイルス、ボルナウイルスなどを対象とし、
異なる時間軸と空間軸に着目した国際共同研究をマトリックス的に展開することで、ウイルス感染現象の理解を深めるとともに、
革新的なワクチンや抗ウイルス薬開発に向けたブレークスルーを生み出す環境を構築できることが期待されます。